GTMで実装したUAタグをGA4に一括マイグレーションを実施する方法

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GTMで実装したUAタグをGA4に一括マイグレーションを実施する方法

SEM Technologyで毎月行っている調査記事によると、2021年9月末時点でGA4の導入率は9%を超えるまでになってきました。この流れに置いていかれないようにするためにも、そろそろGA4タグの導入を検討している人も多いのではないでしょうか。

本記事では、Google社が非公式で提供している移行ツールである「GA4 GTM Migration Tool」とその使い方を解説します。


GA4 GTM Migration Toolとは

「GA4 GTM Migration Tool」は、Google社が開発を行っているオープンソース(Githubにて管理)のツールであり、Googleタグマネージャーで実装されたユニバーサル・アナリティクス・タグをGA4タグにマイグレーション(アップグレード)するためのツールです(ただし、位置付けとしてはGoogle社が公式にサポートしているGoogle製品ではない)。

このツールは、Googleスプレッドシート上で動作するようになっており、非エンジニアであっても比較的利用しやすいインターフェースです。

このツールでは、GoogleタグマネージャーのAPIをGoogleスプレッドシートのスクリプトから操作する仕組みで動作します。実行すると、既存のトリガーや変数については一切変更を加えることはなく、既存のユニバーサル・アナリティクス・タグの設定を読み取り、それぞれのタグで設定している情報をGA4に移行する準備を行います。ただし、完全に自動で移行できるような類のものではなく、「どのようなイベント名で送信するか」「イベントパラメーターのパラメーター名」など多くはスプレッドシート上で自身で設定が必要なものも多々あります。

ワンクリックでGA4実装が出来上がるような魔法のツールではありませんし、そのような魔法のツールは今後も登場しないと思います。

GA4 GTM Migration Toolの使い方は、Githubのリポジトリ「google/ga4-gtm-migration」に英語で書かれたものがあるので、一次情報としてはこのヘルプを参考にしましょう。

GA4 GTM Migration Toolの使い方

ここからは少し長くなりますが、「GA4 GTM Migration Tool」の使い方をステップごとに説明していきます。現在もアップデートが行われているツールなので、今後のバージョンアップにより手順が変わってしまう可能性もありますが、基本的には同じような動きになると思います。

1. Googleグループに参加

2の雛形となるスプレッドシートを閲覧するためには、現時点では所定のGoogleグループに参加する必要があります。Googleグループは承認が必要な形式ではなく、申請さえすれば誰でも即時グループに参加できる設定になっているようです。

以下のリンクから、Googleグループに参加しましょう。

Googleグループ「ga4-gtm-migration-users」に参加する

2. 雛形となるスプレッドシートをコピーする

続いて、今回のマイグレーション・ツールの実装が行われているスプレッドシートを準備します。1でGoogleグループに参加していれば、雛形となるスプレッドシートにアクセスすることができます。

この雛形となるスプレッドシートは、閲覧権限のみが付与された状態ですが、コピーすることは可能ですので、このスプレッドシートをコピーして編集可能な自身のスプレッドシートを作成しましょう。

雛形となるスプレッドシートにアクセス

3. API実行に関する認証を行う

コピーしたスプレッドシートを読み込み直すと、メニューバーに「GTM Migration」が現れます。このメニューバー「GTM Migration」が以降のAPI呼び出しのために用いられるものである、ここではこの中の「Authorize Permissions」をクリックし、このスプレッドシートから自身のGoogleタグマネージャーの操作を行うことの承認・認証を行います。

4. 移行対象のGoogleタグマネージャーのコンテナを指定する

移行対象のGoogleタグマネージャーのコンテナを指定します。指定方法は、コンテナIDのみを入力するのではなく、該当のコンテナをWeb管理画面で開いた時のURLをそのまま入力する形となります。

Web管理画面のURLを、スプレッドシートの「GTM URL」シートのセル「B1」にコピペしましょう。

5. ページビューのマイグレーション

「ページビューのマイグレーション」では、スプレッドシートの「Pageview Migration」シートを利用します。このシートに進みましょう。

5.1. GA設置変数のリスト化

メニューバーの「GTM Migration > Pageview Migration > List UA Settings Variables」を選択します。これにより、Googleタグマネージャーに設定されている「Googleアナリティクス設定変数」を抽出します。

A〜E列に、抽出された「Googleアナリティクス設定変数」の情報が出力されます。以下のキャプチャでは、対象のGoogleアナリティクス設定変数が1つしか存在しませんが、Googleタグマネージャー内に複数のGoogleアナリティクス設定変数が登録されている場合、その数だけ表示されます。

リスト化されたGoogleアナリティクス設定変数の中から、マイグレーションする対象のGoogleアナリティクス設定変数のE列にチェックを入れ、D列に対応するGoogleアナリティクス4のデータストリームの計測IDを入力します。

5.2. GAページビュータグのリスト化

メニューバーの「GTM Migration > Pageview Migration > List UA Pageview Tag」を選択します。これにより、5.1.で指定したGA設定変数に紐づいている「Googleアナリティクス」のページビュータグを抽出します。

マイグレーション対象のGoogleアナリティクス設定変数に紐づいたGoogleアナリティクスのページビュータグがG〜J列に表示されます。 I列にはマイグレーションの結果作成されるGTMのタグ名を設定します。 J列にこのページビュータグをどのようにマイグレーションするか指定します。仮想ページビュー用のタグでない限りは「Config Tag」とし、仮想ページビュー用のタグについては「Event Tag」とするのが良いでしょう。また、マイグレーションしない場合は「Do Not Migrate」を選択しましょう。

5.3. フィールド設定データのリスト化

メニューバーの「GTM Migration > Pageview Migration > List UA Fields」を選択します。これにより、5.1.で指定したGA設定変数に紐づいている「Googleアナリティクス」のフィールド設定データを抽出します。

抽出されたフィールド設定データは、スプレッドシートのL〜P列に表示されます。ここから、N・O・Pの3列の設定を更新します。

5.4. カスタムディメンションデータのリスト化

メニューバーの「GTM Migration > Pageview Migration > List Custom Dimensions」を選択します。これにより、5.1.で指定したGA設定変数に紐づいている「Googleアナリティクス」のカスタムディメンションデータを抽出します。

抽出されたカスタムディメンションデータは、スプレッドシートのR〜Y列に表示されます。ここから、V・W・X・Yの4列の設定を更新します。

5.5. ページビューのマイグレーションを実行

メニューバーの「GTM Migration > Pageview Migration > Migrate Config Tag」と「GTM Migration > Pageview Migration > Migrate Pageview Event Tags」をそれぞれ実行し、ページビュータグのマイグレーションを行います。

マイグレーションの実行が完了後、Googleタグマネージャーを確認すると、マイグレーションが行われた状態でGA4の設定タグやページビュータグが登録されます。これらの変更は、シート「GTM URL」で設定したワークスペースに登録され、公開処理は行われていない状態のため、自身で設定内容の確認やプレビューで動きを確かめてから公開するようにしましょう。

6. イベントのマイグレーション

ページビューと同様にイベントタグもマイグレーションを行います。手順は、「5. ページビューのマイグレーション」と同じになるので、詳細は省略します。メニューは、「GTM Migration > Event Migration」の中が該当し、これらを1つずつ実行しながら、GA4の設定を埋めていきましょう。

以下は、設定を行い、「GTM Migration > Event Migration > Migrate Event Tags」を実行している途中の画面となります。

イベントタグはサイトによってはタグの個数が多数に及ぶこともあり、その場合実行時間が長くなってしまいますが、気長に待ちましょう。ただし、数が多すぎてタイムアウトしてしまう場合、イベント単位で複数回に分けて実行する必要もありそうです。

7. Googleタグマネージャーの変更を確認する

ページビューとイベントのマイグレーションの実行が完了するところまでが「GA4 GTM Migration Tool」の役割です。あとは、Googleタグマネージャーの管理画面に移動し、Googleタグマネージャーの変更履歴を確認し、プレビューで細かな動作確認を行うようにしましょう。このマイグレーション機能はタグの追加のみしか行わないので、もし、プレビューによる動作確認が手間に感じるようであれば、一旦タグの公開だけしてしまい、一定期間のデータを収集後、GA4のUIでデータを確認し問題があるようであれば調整し直すなどしても良いかと思います(データ確認の結果、大幅に設定をやり直す必要がある場合は、新しくGA4のプロパティを作り直してしまえばゼロからリセットして進めることができます)。

まとめ

今回は、Github上で公開されている「GA4 GTM Migration Tool」について、その使い方を紹介しました。今後、「UAからGA4へ」の動きが活発になってくると、GA4へのタグ実装を移行する必要が出てきます。そのようなときに、今回のマイグレーション・ツールのようなものがあると、手早く移行できそうです。

ただし、移行作業自体は、GA4のデータモデルについて理解していないと、どのように設定すれば正しいのかが分からず結局設定できない、という結果になってしまうので、「初心者でも簡単に移行できるツール」ではなく、「ある程度GA4について理解している人が短時間でUAからGA4にタグ移行するためのツール」という認識を持つ必要があります。