今回のケースについて

再掲になりますが、今回のケースでは、Webサイトのうちの一部のディレクトリのみを切り出して計測するケースです。メーカーなどで1つのドメイン配下のWebサイトにいくつかのブランドサイトが並んでおり、この中の1ブランドのみを計測するようなケースが当てはまります。

ブランドサイト以外にも、同一サイト内でブランドサイトとECサイト、ブログサイトなどを運営しているケースで、マーケティング担当者が個別で担当しており、個々のサイトの分析のために別のGoogleアナリティクスをいれる、などのケースがあります。

図式化すると、以下のようになります。

思っている以上に、このような状況が発生しているサイトも多く存在するのではないでしょうか。特に最近は、ITPの影響を最小限にするために、ドメインの統合を行うケースもあり、いつの間にかドメインが膨大になっていることもあると思います。

通常の実装では「参照元」に課題が出る

このようなケースにおいて、よくある実装としては、Googleタグマネージャーなどを用いて、「/shop/」(または「/brand-A/」)を含むページのページビューのタイミングで、個別のプロパティのGoogleアナリティクス・タグを実行する方法です。

しかしながら、この方法では「検索エンジン → ブランドAのページ → ECサイト」のような遷移をしたユーザーが、個別のプロパティでは「ダイレクト流入」となってしまう課題があります。

図にすると、以下のようなイメージです。

基本的にダイレクト流入は、何の情報もないトラフィックなので、避けるべきという鉄則があります。

本来、見たいレポートは?

「検索エンジン → ブランドAのページ → ECサイト」のような遷移をしたユーザーのトラフィックを、個別プロパティでは「ブランドAサイトからの流入」もしくは「自然検索からの流入」のような見え方をするのが理想的と考えられます。

SEM Technologyでは、この場合は「ブランドAサイトからの流入」というレポートを最も最適な見え方であると考えています。理由としては、ECサイトの担当者からすれば、ECサイト単体のSEO対策により獲得したトラフィックではないため、自然検索とするのは妥当とは言えません。そうではなく、ECサイトのみを担当している担当者からすれば、ブランドAのサイトは外部サイトの1つという解釈になると考えており、そのような意味で、このような流入は「ブランドAサイトからの流入」と計測したいと思います。

解決策

本ブログでは、「検索エンジン → ブランドAのページ → ECサイト」のような遷移をしたユーザーのトラフィックを、個別プロパティで「ブランドAサイトからの流入」と捉えることができるようなカスタマイズをGoogleタグマネージャーで行う方法を紹介します。

使うのは「正規表現の表」タイプを使った変数であり、Googleアナリティクスに送信するリファラーの値を条件に応じて切り替えます。

具体的には、

実際のリファラー GAに送信するリファラー
https://example.com/ https://example.top
https://example.com/shop/〜 ""(空文字列)
https://example.com/brand-A/〜 https://example.brandA/〜
https://example.com/brand-B/〜 https://example.brandB/〜
https://example.com/recruit/〜 https://example.recruit/〜
https://example.com/ir/〜 https://example.ir/〜

のような形です。もちろん、分析したい流入元の単位で、設定すれば良いので、上記のままではなく、採用ページとIRページはまとめて「https://example.corp/〜」のようにするのも良いと思います。

ただし、置き換えた先のドメインに「example.com」が含まれていると、Googleアナリティクス・プロパティで作成している「参照元除外リスト」の影響でダイレクトに置き換えられてしまうので注意しましょう。また、元々のリファラーが「https://example.com/shop/〜」であった場合は、リファラーは送信したくない(自身のサイト間の遷移)のため、空文字列に置き換える必要があります。

これをGoogleタグマネージャーでは、以下のような変数で実装します。

そして、この作成した変数を以下のように個別のプロパティ(上記図でUA-123456789-2としているプロパティ)の「Googleアナリティクス設定変数」を使って利用します。「Googleアナリティクス設定変数」を利用していないGAタグが存在する場合は、それらのタグにも「設定フィールド」を指定する必要があります。

これらの設定が終わったら、

  • 全く外部のサイトから自身のショップページに流入
  • 全く外部のサイトから自身のブランドAページに流入
  • 自身のブランドAページからショップページに流入
  • 自身のショップページからブランドAページに流入
  • 自身のショップページ1からショップページ2に流入

などのパターンで動作テストを行い、上記の「GA Referrer」が正しく置き換えられていることを確かめましょう。

まとめ

今回は、Googleアナリティクスを使って、サイト内の一部のサブサイトのみに絞ってGoogleアナリティクスを実装するためのベストプラクティスをまとめました。このようなケースでどのように実装すべきかをまとめたWebページは今まで見たことがなかったので、他の人がどのように実装しているかは気になるところです。しかしながら、恐らくこの方法が最もベストだと思いますので、ぜひ試していただければと思います。