レポート系

1. 定型的なレポートの自動化

AdWordsスクリプトを利用することで、AdWords内のデータを集計して、レポート化してGoogleスプレッドシートに出力することが可能になります。AdWordsスクリプトを用いなくても、GoogleAdWordsの機能でレポートの定期出力機能がありますが、出力条件を細かく絞って出力したり、標準では存在しない項目を出力したいときに重宝します。自分が広告運用をするときは、CPAも見ていますが、コンバージョンが少ないアカウントの場合は、CPAだけでなく、非直帰ユーザー獲得単価も合わせて見るようにしています。デフォルトの数値の中に、「非直帰ユーザー獲得単価」という項目はありませんが、AdWordsスクリプトを使って、直帰率、クリック数、費用の3つが分かれば自分で計算可能です。また、出力先のGoogleスプレッドシートを作り込んでおけば、グラフを用いた可視化を行ったり、そのままPDFにしてダウンロードできるレポートを作ったりも可能です。さらに、Googleスプレッドシートのアドオンなどを使い、Googleアナリティクスのデータと連携したレポートを作成することも可能になります。

2. 日次の定点観測

日次レポートを自動送信するAdWords Script | SEM Technology で紹介したような、昨日の広告出稿結果を毎朝メールで送信するようなことも可能になります。管理するアカウントの数が増えてくると、各アカウントの出稿状況を簡単にチェックする、だけでも多くの工数を取られてしまうことになり得ます。概要メールを見たときに、違和感のあるアカウントに関しては個別の管理画面を開く必要があるとはいえ、昨日の出稿結果の概要をメールで送ってくれるだけでも手間が省けるようになります。上で挙げた記事では、検索広告・ディスプレイ広告別の出稿結果を昨日データ、当月データの2種類送信しているだけですが、場合によっては、過去30日(または14日間など)の日別の数値についても必要になるかもしれませんが、AdWordsスクリプトをカスタマイズするだけでできるようになります。

3. 品質スコアや1日の予算などの履歴を画面上から確認できない項目の履歴管理

AdWordsの画面上に表示されている数値の中には、過去の数値を確認することができないものがいくつか存在します。例えば、キーワードの品質スコアであったり、キャンペーンの1日の予算、広告グループやキーワードのクリック上限単価です。これらの数値で、過去の履歴を確認したい、となったときに備えて、履歴管理できるようにしておくことをお勧めします。キーワード単位で全てのデータを日ごとに履歴管理すると、データ量が膨大になってしまい、AdWordsスクリプトが動かなくなってしまう可能性があるので、実装には注意が必要です(AdWordsスクリプトの場合、1回のスクリプトの実行時間を30分以内に収める必要があります)。

4. ラベル付与によるキーワードなどの自動分類

リスティング広告運用では、「過去コンバージョンが発生しているキーワード(広告グループ)かどうか」であったり、「許容CPA範囲内のキーワード(広告グループ)かどうか」といった軸でキーワードや広告グループを分類することがあると思います。この分類を手動で実施しようとすると、手間のかかる内容になるかと思いますが、AdWords Scriptを使えば、これらのキーワード(広告グループ)の分類を自動化させることができます。分類結果はAdWordsのラベル機能を使って管理できるので、各グループに含まれるキーワードを絞り込むことだって簡単にできてしまいます。

外部APIとの連携

5. 天気取得系APIとの連動して入札の強弱をつける

商用無料で使える天気取得系APIは数少ないですが、天気情報をもとに、入札の強弱をつけることが可能になります。具体的には、国内への配信であれば、キャンペーン上の配信地域に各都道府県を入れて、都道府県単位で入札単価調整が使える状態にします。その上で、AdWordsスクリプトを用いて、天気取得系APIにアクセスし、各都道府県の現在の天気を取得し、天気に応じて入札単価調整の値を変更します。あとは、AdWordsスクリプトを1時間に1回なり、3時間に1回といった頻度で自動実行させるようにすれば、各都道府県の天気に応じた入札単価の調整が行えます。もっと細かい単位で入札単価調整をするのであれば、対応した天気取得系APIを用いて、配信地域設定を細かい単位で登録すれば可能になります。

天気に影響されるような実店舗系や、タクシー配車、ネットスーパーやECサイトなどで使えるかもしれません。

6. 自然検索の順位に連動した単価調整

検索順位取得APIと組み合わせて、検索順位変動に合わせて、リスティング広告の入札単価を上下させることができるようになります。自然検索で順位が落ちたときに、代わりにリスティング広告の入札を強化して自然検索からの流入減を、リスティング広告でカバーすることができるようになります。逆に、一時的に自然検索の順位が落ちていたものが元に戻ったタイミングで、リスティング広告の入札強化を解除して費用を抑えることができるようになります。

これだけでは利用できるシーンは限られてしまい、使いにくいですが、こんなこともできるんだと思っていただければと思います。

アラート系

7. ランディングページの監視

サイトの制作側と広告の出稿側の連携が取れていない状態で、サイト側の更新頻度の高いサイトの場合に有りがちなのが、広告側のランディングページとして設定していたURLが知らない間に削除されてしまい、広告をクリックしても404エラーになってしまう(または、トップページなど別のページにリダイレクトされてしまう)ことです。そんな場合であっても、「広告のリンク先として設定されているURLが有効かどうか」をチェックし、無効になっている場合に該当の広告を一時停止した上で、アラートメールを送信するようなAdWordsスクリプトを作成し、定期実行させるようにしておくと、問題が解決します。

8. Notification

アカウントに変更を加えたら、一定期間を経過したあとに、その変更の結果どうなったか?をチェックする必要があります。ただし、多くのアカウントを抱え、多くの変更を日々行っていくと、いつどのような変更を加えたかを覚えていられないこともあるかと思います。そんなとき、AdWords Scriptを使って、変更履歴をリストアップしておき、一定の時間が経過したときに、Notificationをして通知するようにするといいと思います。Notificationの方法としては、メール送信を使うこともできますが、メール数が一気に増えてしまうと業務に支障をきたす事があると思うので、SlackやChatWorkのようなチャットツールに通知を送信するのがいいかと思います。

定型作業の自動化

9. キーワードを絞り込み部分一致に変更する

このブログでも以前紹介した、GoogleAdWordsでキーワードマッチタイプを絞り込み部分一致に変更するAdWords Script です。キーワードを部分一致から絞り込み部分一致に変更するには、作業は少し面倒です。今なら、AdWords Editorを使って、キーワードをExcelに落とし込んで、1つずつキーワードの各語句の前にプラス記号をつけていく必要があります。これを、上の記事のAdWords Scriptのプログラムを利用することで、簡単にできるようになります。利用用途はとても限られてしまいますが、このような単純作業にAdWords Scriptは効果を発揮します。

10. 入札単価の最適化

コンバージョン・オプティマザが内部的に実行していることは、各広告出稿のタイミングで、リクエストの様々な情報をもとにユーザーのコンバージョン率を計算し、そのコンバージョン率の上で求められるコンバージョン獲得単価を実現するために必要なクリック単価を算出し、そのクリック単価で出稿を行っています。これと似たことをAdWords Scriptで代用することができます。広告グループ単位やキーワード単位、デバイスごと、各ターゲティング条件をもとに、過去のコンバージョン率の実績値をもとに、入札単価の最適化を行うことができます。
通常のコンバージョン・オプティマザの場合、キャンペーンごとのコンバージョン数が過去30日で15件以上必要であり、コンバージョンの少ないアカウントでは利用するためのハードルが高くなってしまいます。しかし、この方法なら、コンバージョン獲得単価の代わりに、「非直帰ユーザー獲得単価」のような到達ユーザーの多い地点を使うことで、入札単価の最適化を行えるようになります。

まとめ

日本では、Yahooプロモーション広告があるため、Google AdWordsだけ自動化してもYahooプロモーション広告を自動化できなければ手間がかかるのは一緒、という考えもあるようです。ただそれでも、1媒体だけでも自動化することで余計な手間を省くことができます。

また、ちょっとしたスクリプトを書くということは、リスティング広告以外の場面でも役立つことは多いので、まずはJavaScriptの入門記事をいくつか読んでみるといいでしょう。