今までのGAでの目標設定

今までのGoogleアナリティクスの目標設定は、ビューの管理画面で行なっていました。その設定方法は、

  • 到達ページ
  • 滞在時間
  • セッション中のページビュー数(スクリーンビュー数)
  • イベントトラッキング

の中から選ぶことができ、また各ビューごとに最大20個までの目標を設定することができました。設定した目標は、設定した以降に発生したセッションのみが対象となっていたため、精緻なコンバージョンを計測するためには、事前の準備が必要でした。

App + Webプロパティにおけるコンバージョン設定

目標設定を行う設定画面

新しくローンチされたApp + Webプロパティでは、管理メニューの中には目標に関する設定項目はありません。代わりに、レポート機能の「コンバージョン」メニューから、コンバージョンの設定を行うことが可能となっています。この点については、設定するページが変わっただけであり、大きな問題はありません。

目標の設定タイプ

今までは、到達ページを使って目標設定を行うことができたため、一部のURLが変わらないタイプのフォームを利用しているサイト以外では、目標の設定を行うことは容易にできました。

しかしながら、App + Webプロパティの現在の仕様では、送信されている「イベント」の中からコンバージョンに該当するイベントを選択して設定するようになっています。このイベントの絞り込みで利用できるのは、「イベント名」のみとなります。標準のApp + Webプロパティを実装した場合、ページビューは「page_view」イベントとして送信され、そのイベントプロパティの中にページのURLやページタイトルの情報が設定されています。

つまり、ある特定のURLをコンバージョンと設定したい としても、目標設定時にpage_viewイベントをさらにページURLで絞り込んで目標設定を行うことができないので、標準的なケースですら、トラッキングコードのカスタマイズを行わない限り、目標設定できない ことになります。

さすがにこの状態の仕様でローンチされることはないと思いますので、今後のApp + Webプロパティの開発・機能追加の中で何らかの改善が行われることを期待していますが、少なくとも現時点では目標設定を行うには、トラッキングコードのカスタマイズが必要だと思っておいたほうが良い状況です。

目標の設定数

App + Webプロパティでは、1プロパティあたり、30個までの目標を設定することが可能です。今まではビュー単位で20個までだったため、上限が緩和されたように思います。

とはいえ、20個の目標を使い果たしているようでは、Googleアナリティクスの設計自体に何らかの問題を持っているケースが多いと思われるため、目標数の上限が10個増えただけでは、すぐにまた上限に到達すると思われるので、引き続き気をつける必要があります。

過去データへの反映

今までのGoogleアナリティクスの目標設定の場合、管理画面上での設定を行なった以降のセッションにおいてのみ、その目標設定が有効となる仕様でした。

しかしながら、App + Webプロパティでは、過去に遡って目標設定を反映させることができます。目標設定の変更から反映までは数秒もかからずリアルタイムで処理をされています。

よくある目標の設定漏れであっても、気にする必要はありません。

ファネルレポートのアクティベーション

今まで、ファネルレポートを作成しようとした場合、

  • 目標設定を行う際に、目標到達プロセスを利用する
  • Google Analytics 360でファネルレポートを利用する

のどちらかが必要でした。目標到達プロセスは、セグメントを適用させることができないため、分析の幅はかなり狭くなってしまいます。ファネルレポート自体は秀逸ですが、Google Analytics 360の利用が前提となるため、ほとんどのユーザーは利用できません。

App + Webプロパティでは、全てのユーザーに向けて、ファネルレポート(レポート名は、目標到達プロセスレポート)が解放されています。名前こそは目標到達プロセスですが、セグメントを設定することもでき、使いやすさは今までのファネルレポート並みといえます。

今後、App + Webプロパティで目標設定をするなら

前述したように、App + Webプロパティで目標設定をする場合、まず設定したい目標の項目・アクションを決めた上で、その目標をApp + Webプロパティ用のイベントとして計測するようにカスタマイズを行う必要があります。目標設定は、「イベント名」の単位で設定する必要があるので、目標設定したい項目ごとにイベント名を分けて実装する必要があります。

また、目標到達プロセスを利用する場合も、各プロセスはイベント名を利用して設定する必要があるので、プロセスについても事前に設計を行い、イベント実装に反映させるようにしましょう。

イベントの実装が完了したら、Googleアナリティクスの管理画面で目標設定を行います。今までは、ページパスやイベントカテゴリ名などを手入力する必要があったため、記載フォーマットのミス(特に、ページパス)で思い通りに目標設定できていないケースが少なからず見られました。App + Webプロパティではなく、「全てのイベント」レポートで対象のイベント行で「コンバージョンとしてマークを付加」をONにするだけで設定できるため、単純ミスがなくなりました。

まとめ

今までのGoogleアナリティクスの目標設定と比べると、リアルタイムで集計され後から目標設定を行うことが可能であったり、無料版であってもファネルレポートが利用可能となるなどのメリットがあります。その一方で、設定を行うには、標準のタグ実装のみでは不可能で、個々のコンバージョン・アクションごとにタグ実装が必要になるという大きな問題があります。この問題については、早いタイミングでGoogle側に解決してもらい、より使いやすいApp + Webプロパティにしていって欲しいと思います。また、直近でApp + Webプロパティの実装を進めていくことを考えている方はぜひ、本記事を参考に設計を行なっていただければと思います。