書籍「デジタルマーケターのためのテクノロジー入門」

本書について
本書の「まえがき」には以下のような記述があります。
本書は、デジタルマーケティングに携わる方々に向けた「テクノロジー入門書」というコンセプトで執筆しました。宣伝・販促・広報などのマーケティング関連業務はこなせている、または日々学んでいるが、デジタル(テクノロジー)の部分では理解不足を解決できていない、という人のための本です。
ここ数年の間に、マーケティングを取り巻く環境は大きく変わりました。テレビや雑誌などのマスメディアから、Webを中心としたマーケティングが主流となり、「テクノロジーを駆使したマーケティング活動の重要性」が、さまざまなシーンで認識され始めてきています。
テクノロジーを駆使したマーケティング活動を行うため、マーケターは自身が管理するWebサイトのアクセス解析に取り組み、ビジネス上のゴールを達成する施策を考えることになります。年々高度化するWeb広告で成果を上げるには、一定の技術的知識を常にアップデートしていく努力も求められます。
しかし、その前提には、現代のWebを支える技術と、JavaScript、HTML、CSSといった言語の理解が欠かせません。中でもJavaScriptは、GoogleアナリティクスやGoogleタグマネージャーといったマーケティングツールを使いこなすうえで重要な、今後のマーケターにもっとも求められる言語といえます。
ただ、日本という市場において、このようなテクノロジーを十分に理解できているマーケターは、筆者の知る限り、ほとんどいません。これは、従来の書籍やWebから得られる情報が本職のエンジニア向けに偏っており、非エンジニアであるマーケターに適した情報が不足していたからかもしれません。
この状況は、みなさんにとってチャンスでもあります。エンジニアよりは質・量ともにコンパクトにまとめられる、マーケターのためのテクノロジーを学びさえすれば、ほかの多くのマーケターの一歩先を行けるからです。
本書では、マーケティング施策のノウハウや、マーケティングツールの使い方そのものは学べません。しかし、みなさんがテクノロジーへの苦手意識を克服し、自信を持ってデジタルマーケティングに取り組めるようにする「武器」を提供することはできます。ぜひ一緒に学んでいきましょう。
2020年10月 山田良太
本書「まえがき」より引用
このように、現代のデジタルマーケターに不足しているテクノロジー技術について、その基礎知識を習得するための書籍が本書となります。
書籍のコンテンツ
本書は大きくPart1とPart2の2部構成となっています。Part1では「Web技術と言語の学習」として、基礎知識を学んでいきます。Part2では「マーケティングでの実践」として、 基礎知識で学んだ内容を実務にどのように使っていくかをいくつか紹介します。
「演習問題」は、Part1のChapter2以降の各Chapterと、本書全体を通した復習に総合演習を設けています。問題数は全部で100問あり、本書で学んだ内容が自身のスキルとして 身についているかを確認することができます。
Part1. Web技術と言語の学習
Chapter1. PCとアカウントの準備
- 1-1 利用するPC
- 1-2 Webブラウザー
- 1-3 テキストエディター
- 1-4 アカウントの作成
Chapter2. Web概論
- 2-1 URLの構成
- 2-2 クエリパラメーター
- 2-3 ユーザーエージェント
- 2-4 Cookie
- 2-5 IPアドレス
- 2-6 ユーザーエージェント
- 2-7 リダイレクト
- 2-8 API
- 2-9 SEO
- 2-10 Web広告
- 2-11 演習問題
Chapter3. HTML
- 3-1 HTMLの役割
- 3-2 タグと属性
- 3-3 代表的なタグ
- 3-4 デベロッパーツールによる編集
- 3-5 実際のWeb制作
- 3-6 マーケティングツールのタグ
- 3-7 演習問題
Chapter4. CSS
- 4-1 CSSの役割
- 4-2 セレクター
- 4-3 セレクターによる要素の抽出
- 4-4 演習問題
Chapter5. JavaScript
- 5-1 JavaScriptの役割
- 5-2 はじめてのJavaScript
- 5-3 変数
- 5-4 計算式
- 5-5 配列
- 5-6 オブジェクト
- 5-7 繰り返し処理と条件分岐
- 5-8 関数
- 5-9 マーケティングタグでの活用
- 5-10 さらなる学習に向けて
- 5-11 演習問題
Chapter6. 正規表現
- 6-1 正規表現の役割
- 6-2 覚えておきたいメタ文字
- 6-3 身近な文字列での実践例
- 6-4 正しく書くための注意点
- 6-5 演習問題
Part2. マーケティングでの実践
Chapter7. Googleアナリティクス
- 7-1 Googleアナリティクスの役割
- 7-2 ページビューを計測する仕組み
- 7-3 ユーザーとクライアントID
- 7-4 計測データの出所
- 7-5 ダイレクトトラフィックの原因
- 7-6 スプレッドシートによるレポートの抽出
- 7-7 目標設定
- 7-8 クロスドメイントラッキングの仕組み
Chapter8. Googleタグマネージャー
- 8-1 Googleタグマネージャーの役割
- 8-2 タグ、トリガー、変数
- 8-3 Googleアナリティクスのページビュータグの設置
- 8-4 クリックイベントの計測
- 8-5 HTMLから値を取得する変数
- 8-6 利用頻度の高いトリガーのタイプ
- 8-7 利用頻度の高い変数のタイプ
- 8-8 データレイヤー変数
- 8-9 シンプルな設計を保つための指針
Chapter9. テクノロジーの発展的活用
- 9-1 より高度な学習に向けて
- 9-2 データベースとBIツールの活用
- 9-3 オフラインデータの統合
- 9-4 Googleアナリティクスへのデータインポート
- 9-5 ITPの搭乗とCookieの終焉
総合演習
おわりに
書籍のサンプル




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Amazonのレビュー
以下は、2020年12月27日時点における最新4件のAmazonのレビューです。発売から2ヶ月足らずの間で、23件のレビューを獲得し、その評価も3.8ということでなかなか良い評価と言えそうです。

あまチャン2020年12月19日
時代背景の変化にともないマーケターに求められる素養も変化してきていることを感じさせる類例のないユニークな本です。マーケターという肩書の方にはHTML5やJavaScriptに関して聞いたことはあっても、具体的に意識されたことがない方も多くいらっしゃったのではないかと思います。正規表現に話が及ぶとさらにこれまで触れたことがある方の数は少ないことでしょう。本書ではこのような近年マーケターに求められるようになったWeb関連の技術を具体的かつ丁寧に解説されています。資格試験のテキストのように各セクションごとに演習問題もあります。これで本当に理解できたのかを確認することができそうです。

a people developer2020年12月17日
DXが進む中、マーケターもテクノロジーと無縁でいられないですが、本書は文系マーケターのための福音書とも呼べる本です。URL、HTML、クッキーなど、これまできちんと理解することなく何となく使っていた用語などについて本質から理解することができます。Google Analyticsの説明も専門書ほど難解ではないのがいいです。演習問題で理解の確認もできます。まずは難しいところを読み飛ばしながらでも、書いてあるサイトにアクセスしながら全体に目を通した上で、業務で必要な箇所は繰り返し読むのがお勧めです。

jungle.prime2020年12月15日
デジタルマーケターという言葉を聞いたことはないけど何なのか知らない人い向けの入門書みたいな感じですかね?基礎中の基礎が表記されているかと思います。QA形式でわかりやすい内容になっているかと思います。文字だけでなく画像も多く取り入れているので理解もしやすいのではないでしょうか?

suntalk2020年12月12日
演習問題のレベル含め、デジタルマーケターの基礎固めというより、これはわかってるよねという確認をする本。浅いと批判もあるが、これはこれで意義があると思う。ただ、演習問題レベルと本文の少しもってまわるような説明のレベルにずれがあるようにも思う。集中演習としては間違ってないのですが。