Googleアナリティクス/Googleタグマネージャーのテンプレートを大公開

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Googleアナリティクス/Googleタグマネージャーのテンプレートを大公開

新規のサイトを立ち上げる時に、サクッとGoogleアナリティクスを導入したい、と思っている方は多いかと思います。とはいえ、Googleアナリティクスの導入を最低限のものだけで終わらせてしまうと、後々リファラースパムに悩まされることになったり、デフォルトのレポートしか使えず、Googleアナリティクス本来の力が発揮できない事態に陥ってしまいます。

そこで、自身の今までのGoogleアナリティクス/Googleタグマネージャ導入経験から培った経験と知識をもとに、「単にGAタグを設置するだけではできないトラッキング」を汎用的な形でテンプレート化しました。


このテンプレートを利用することで何ができるか

このテンプレートを使うことで、単純なページビューの送信以外に下記のようなカスタマイズを実施済みのGoogleタグマネージャが自動で生成されます。そして、サイトに合わせて変更が必要な箇所のみ変更いただくことで、すぐに自身のサイトでご利用いただくことができます。

  • サイトの速度のサンプリングレベルを1%から100%まで引き上げる(実際のサンプリングレベルは10%前後)
  • Googleアナリティクスがユーザーを特定するために使われている「クライアントID」をカスタムディメンションに設定
  • セッションごとに一意な値を持つ「セッションID」をカスタムディメンションに設定
  • ヒットの送信時に「タイムスタンプ」をカスタムディメンションに設定
  • 電話番号リンクのクリック、外部リンクのクリック、ファイルダウンロードリンクのクリック時など汎用的なクリックイベントに対し、イベントトラッキングを実行
  • デフォルトのソーシャルボタン(Facebook/Twitter)のアクション時にソーシャルイベントを実行

    • このテンプレートが対応しているのは、Facebook/Twitterの公式プラグインのみです。カスタマイズを施した非公式のソーシャルタグには対応していません。
  • ブラウザ側のJavaScriptエラーが発生した時に、Googleアナリティクスにエラーイベントを通知
  • デバイスのタイプやユーザーエージェントなどを含むカスタムのユーザー定義変数を多数準備
  • 別プロダクトである「Power Analytics」を内部で利用することで下記を実現

    • カスタムディメンションにIPアドレスを設定する
    • 参照元やメディアを解析しやすい内容に変換

クライアントID、セッションID、タイムスタンプがカスタムディメンションに設定可能なので、ユーザーやセッションを一意に特定して、該当ユーザーの閲覧ページの履歴をチェックすることも可能です。また、電話番号や外部リンク、ファイルダウンロード、ソーシャルボタンのトラッキングにもデフォルトで対応しているので、基本的なイベント系の処理は追加カスタマイズ不要です。さらに、私が開発したGoogleアナリティクスのプラグインである「Power Analytics」とデフォルトで連携しているため、閲覧ユーザーのIPアドレスをカスタムディメンションに設定したり、参照元/メディアの自動書き換えにも対応しています(Power Analyticsの詳細はこちらを参照)。

このテンプレートが適用できる条件

Googleタグマネージャ/Googleアナリティクスが未設置のサイトに新規に設置することを前提としてテンプレートを作成しています。既存のGoogleアナリティクス/Googleタグマネージャを置き換える形で設置することも可能ですが、過去データとの連続性が失われることを把握した上で、既存のGoogleタグマネージャのその他の設定に誤りがないことなどを確認してご利用いただく必要があります。そのため、既存のGoogleアナリティクス/Googleタグマネージャの置き換えとして使う場合は上級者向けと考えてください。

利用方法

下記はこのテンプレートを利用するために最低限必要と考えられる設定内容をまとめたものとなります。Googleタグマネージャ内で何を行っているかを把握した上で、個別のカスタマイズを行っていただいて構いません。

Googleタグマネージャへのインポート方法

タグマネージャのエクスポート機能とインポート機能はGoogleタグマネージャの公式ヘルプ - コンテナのエクスポートとインポートを参考にするのが良いかと思います。当記事末尾のタグマネージャ・テンプレートのダウンロードリンクから、取得したテンプレートファイル(JSON形式)をGoogleタグマネージャの設定を行いたいコンテナにインポートしてください。

Googleタグマネージャの設定内容

インポート後、Googleタグマネージャで幾つかサイトの構成に合わせて設定変更する必要があります。設定項目は下記になります。

  • 変数: Google Analytics Tracking ID

    • 計測したいGoogleアナリティクスのトラッキングIDを設定してください。
    • 本番サイトとステージングサイトなどの計測を混ぜないためにルックアップテーブルとしていますが、必要に応じて「種類を選択」で「定数」を選んでいただき、固定値とすることもできます。
  • 変数: UA - CustomDimensionIndex - Client ID
  • 変数: UA - CustomDimensionIndex - Referrer Spam Block
  • 変数: UA - CustomDimensionIndex - Session ID
  • 変数: UA - CustomDimensionIndex - Timestamp
  • 変数: UA - CustomDimensionIndex - IPAddress

    • それぞれ該当のデータを格納するカスタムディメンションのインデックスを設定してください。
    • 利用しないカスタムディメンションには「0」を設定してください

これらの変更が必須の項目は全てフォルダ「Need Fix」に入れているので、フォルダ「Need Fix」の中を変更するようにしてください。

Googleアナリティクスへの設定内容

カスタムディメンションを始め、幾つかの項目はGoogleアナリティクスの管理画面での変更が必要です。Googleアナリティクスの基本設定以外で必要な変更内容と、その変更を行う時の参考ページを記載するので、これらを参考に設定してください。

動作確認

上記の設定が完了したら、Googleタグマネージャのプレビューモードを用いて、Googleアナリティクスのデータ送信状況を確認してください。プレビューモードのデバッグ画面で正しく送信されていることと、Googleアナリティクスのリアルタイムレポートに反映されていること、数時間後に通常レポートに反映されていること、あたりを確認してください。また、ページビューだけでなく、イベントデータの送信やソーシャルアクションの計測も行っているので、それらも正しく計測されているかを確認するのが良いと思います。

より高度なトラッキングを行うなら

このテンプレートを利用することで、高度なトラッキングの幾つかを簡単に取り入れることができるようになります。ただし、汎用的に実装することが難しく、テンプレートに含めることができなかったトラッキングも多数存在します。

もし、さらに高度なトラッキングを行うのであれば、このテンプレートを利用した上で、さらにサイト上でのユーザーのアクションを細かく観察して、計測すべき箇所を洗い出していくことがお勧めです。

まとめ

デフォルトのトラッキングコード実装からワンランク上の計測を行うためのテンプレートを紹介しました。もし、「このテンプレート内では行っていないが、こんなこともやるといいよ!」といったカスタマイズ例を知っている方はお問い合わせフォームなどで教えていただければと思います。

Googleタグマネージャ テンプレート(v8)のダウンロードはこちら